Lady First

 Lady First

#html {以前、同僚から時々、こんな質問を受けた経験があります。「日本は男尊女卑なんだって?」 とか 「日本では、母親は家族みんなが食べ終わってから食べるんだって?」 などと私も知らなかった、明治時代頃と思われる家庭の風習でした。

日本では男尊女卑だというのは、広く知られているようです。アジア系の人達からの質問が多かった気がします。アジアでは、日本への関心も高く、そうした記事を読んだときは、100年前の話として書かれていたにしろ、100年前という部分は記憶から無くなってしまっているのでしょう。そして「俺もそんな国に行って生活したい」とは誰一人、言わなかったと記憶しています。

 前世紀の第三四半期頃には左にあるような歌がヒットしました。・・・・ 女はいつも待ってるなんて、坊や、いったい何を教わってきたの ・・・・。もう、男尊女卑の時代は終わったと宣言したような時から、21世紀に入ってるんですからからねー。日本は、まだ Lady First ではないんでしょうか。ところで歌っているグループは、ものすごく上手です。歌唱力があり、歌の内容をよく表現していてオリジナル +α があります。不自然な振り付けがないことも好感が持てます。} #clear

昔、昔、エレベーターの前で

 有名な話ですから今更という方も多いと思いますが、とりあえず。アメリカで、エレベーターの前で日本からの女性とアメリカ人の男性が待っていました。籠( car )が到着してドアが開いきましたが、誰も乗らないうちにやがてドアが閉まり、行ってしまったというお話です。日本女性は、三歩下がって夫の影を踏まないという歴史ある文化の中で育ちました。そんな大和なでしことしては、当然、男性が先にエレベーターに乗るものだと待っていました。しかし、lady first 文化のアメリカ人の男性は女性が先に入るのを待っていた、という一幕でした。

それじゃぁ Lady first って?

 とにかく女性を優先することです。エレベーターに乗るときも、電車に乗るときも、降りるときも、つれの女性を優先する仕草を見せることです。また、車で移動するときは、女性のためにドアを開けてあげる。目的地に着いてからも途中でも、降りるときは、女性のために先に降りてドアを開けてあげる、という仕草を世間に見せることです。女性もドアを自分で開けたりせずに、開けてくれるまで待っています。食事などの支払いは当然男性。割り勘( Dutch account とか go Dutch )でも払うのは男性です。一事が万事こんな具合ですから、レストランでは女性のために椅子を引いてあげるとか、ウェイターが椅子を引いたら男性は女性が座るまで待っている。複数の人がテーブルを囲むときは、女性が全員座るまで男性達は待っているなどなど、きりが無いくらいです。海外企業とのビジネスディナー等の公式な晩餐会といった時には、つれの女性が途中で席を立つときは、相手の男性も立ち上がり、女性が戻ってきたら再び立ち上がり、椅子を引いてあげます。男性が中座するときは、女性は座ったままでいます。要は、女性の存在に敬意を払って、優先するということです。

 参考のサイトを紹介します。留学生に向けた話と女性向け雑誌の Vogue の記事(英語)です。

 そんなんじゃ、ニューヨークで地下鉄に乗るとき、女性が全員乗るのを待ってから男性が乗るのかよ?いいえ、そんなことはありません。知らない人にまでこうしたマナー manners が適用されるとは思いませんね。エレベーターとか人数が限定されているような状況では女性を優先しているようです。通勤時間や航空機への搭乗とかでは、気を遣う必要はありませんよね、きっと。臨機応変にというかエチケット etiquette にも限界があるということですね。
知らない同志でも、かち合ったような状況では、女性を優先してあげる方がよいでしょう。先着順でことが決まるようなとき、どうするかはあなた次第です。緊急で脱出するときも、まずは、女性や子供が優先ですが、自分の身に危険が差し迫っているときには、そうもいっていられないでしょう。できる限り女性を優先してあげるということでしょうか。家の中ではともかく、一歩外に出たら女性を優先していますというジェスチャーを常に示すことです。Lady first が自然にできるようなると、日本男性もアメリカ人に一歩近づいたことになるでしょう。
ある市内を走る路線バスに乗っていたとき、座席を見つけられなかった御老女様が、聞こえよがしに「昔は、男性が座っているなんて見たことがありませんでしたよ」と嘆いていました。発言内容の真偽のほどは、分かりませんが、いずれにしても、good old U.S.A. を懐かしんでおられたようです。

アメリカでは子供でさえ Lady First

 女 性を優しく扱い優先させる文化は、ヨーロッパからの移民とともに、アメリカ社会の中に定着したのでしょう。下の画像を見てください。野球場での話です。 フェンスの前にグローブを持った子供達が陣取っているのは日本も同じ光景です。何が起きたかは画像を見てのお楽しみです。こうした文化風習の中で育った子供 は、自然に身につくようです。もっとも、ニュースにしているくらいですから、ボールゲームをより楽しくさせる光景として紹介されているとは思います。

 Lady First でキーとなる言葉は、エチケットとかマナーとかですが、lady という点にも注目です。アメリカでもイギリスでも、lady としてのマナー教室もあり、女性も努力しているんですねー。ここには紹介しませんが、YouTube も含めて、ネット上にもいろいろとあるようです。

だがしかし、やり過ぎないことも大切なのだ

 何でも女性を優先させればよいようですが、電車やバスの中で、女性が来たらすぐに立って席を譲るなどといった、時代錯誤的な Lady First は、さすがに今世紀では、やりすぎと取られ、むしろ女性を必要以上に弱い者として扱う male chauvinist とみなされるようです。男を女性より優位な存在と見る人のことです。(発音はここを参考にしてください。)それに、アメリカでは女性のビジネスへの進出もめざましいため、ビジネスの世界やオフィスでは男女同等に扱う方が礼儀とされる面もあるようです。必要以上にやりすぎると、それこそ「馬鹿にしないでよー」なんて怒られそうですね。ということで、Lady First のエチケットは個人的な範囲と、公式的な行事などのときに実施するのが正解かもしれません。

それにつけても気になる日本の場合

  そうゆう社会では、きっと、女性は大切にされ DV とか虐待なんかとは無縁な社会なんでしょうね。いいえ、そんなことはありません。DV などという言葉自体、本場のあちらから日本語に入ってきたくらいですからね。日本でもストーカー事件などの暴力の被害者はいつも女性です。
それにつけても、日本では21世紀に入っても、 Lady First とはほど遠い国だと、非常に強く印象づけるできごとがありました。オリンピックを開こうという国際都市を自負する日本の首都東京。その議会では女性を愚弄するヤジが公然と何人もの議員から発せられていました。まさに、male chauvinist そのまんま。その様子が世界中に大々的に発信されて、国際都市のメッキがすっかり剥がされてしまいました。議員を一人だけ犠牲にして、後は臭い物に蓋をして逃げたようです。こうゆうことは、日本文化に深く根ざしているんでしょうね。何に責任があるのか考えさせられたできごとでした。

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