N と M のミステリアスな関係
英語と日本語では発音にずいぶん違いがありますよね。「当たり前だろうが」と思いますよね。英語の発音が難しいとか、耳に馴染み難いとか感じている人も多いと思います。私は英会話の練習をしているうちに、日本語と英語の音が違いすぎるということに気付き、がっくりと落ち込んだことがありました。もう th だの l だ r だのと言っている場合じゃない、と実感したからです。それまで母音の数からして違うというのは英語の参考書を読んで、うすうす頭の中にはありましたが、いざ実践という戦場で使う段になるとまるで違っていました。発音の話は別の機会にして、今回は M と N ついてのごくつまらないお話です。
英語の A は、”あ” だけじゃない。音もいろいろ
よくご存知のように日本語の母音にあたるのは、”あいうえお”の5個に対し、英語は a と書いてあっても発音する時は add と above では音が全く違うし、apartment など初めて native の人から聞いたときには先頭の a などは全く聞こえず、何度聞き返しても parman としか聞こえてきませんでした。いまだに、知らない単語だと先頭の a は聞き取れません。それと、話している途中で、人の名前の Ryan と Brian をはっきり区別して聞き取れていません。これは単に私の耳がバカで英語に向いていないという問題なのですが、日本人の友人達の中には、きちっと聞き取れる人もいるので、人によりそれぞれなようです。
さらに、単語でもアクセントの位置を間違えると全く通じないことも分かってきました。英語の発音については別の項で書けるとよいのですが、そんな機会があるかどうか不明です。
それより N と M について
それより、今回は、M と N の話です。日本語では、はっきりと M の音と N の音を区別してない、というか、混用しているような印象を受けます。このことは、学術的な裏付けや言語に関する学会、日本語の研究機関などが発表したというような、立派な内容ではありません。あくまでも私の個人的な感想です。日本語の 『ん』 は英語の『 N 』にそのまま当てはまらないのではないか。『 M 』もそのまま日本語の『 む 』にあたらないのではないか、というお話です。
例えば駅名の新橋。上の写真を参考に見てください。新橋というのは、そうです、鉄道唱歌に出てくる『汽笛一声新橋を』の新橋駅です。ひらがな表記は鉄道も街中でも『しんばし』ですが、JRのローマ字表記では『 Shimbashi 』。英語の b だの p の前の『ん』は m になるというのはそのとおりです。全く文句はありません。 Emblem は、日本語のカタカナ表記になると エムブレム だろうなどと揚げ足を取るつもりはありません。
あさて街中に出てみました。道路標識では新橋の仲間というかよく似ている例が、日本橋(にほんばし)です。ここでは M ではなく N 表記です。
例えば歌の世界では、N と M が混乱しているのでは
あわりとはっきり分かるのが、歌の世界です。演歌歌手の人は、ほぼ例外なく、長くのばす『んー』 は 『ムー』と唇を閉じて N ではなく M の音で歌っているようです。TV の歌番組を見ているとき、歌手の口元に注目していると口を閉じているのが分かります。
ポップの歌手の人では『んー』と N で伸ばす人もいますが、全部の歌手を調べた訳ではないので何とも言えません。おそらく、歌唱指導する先生の指示によるのではないかと推測しています。
分かりやすい例としては、 千の風になって という歌です。「私のお墓の前で泣かないで下さい、そこに私は居ませんー」というところです。ご参考までに、こんな画像をご覧ください。しっかりと口を閉じて『むー』と歌っているのがお分かりになると思います。YouTube などで歌手の口元を見たり、じっと聞いていると、「むー」と歌っているのが分かるのですが、音声だけの場合は、はっきりと分かるかどうかは、耳の慣れによるところが大きいかもしれません。
実際に英語を話す時に、N と M を混用する人はいないので、そんなに大げさにするほどのことではないようですね。まぁ、外国人、特にヨーロッパ系の言語圏の人たちには N と M は違う音として聞こえているらしいです。このため、彼らには、『ん』と書いてあっても、聞いている音が N か ng だったり、はたまた、 M だったりしているかもしれません。じつは、これはエヌの話が重要なのです。エヌの話は別の機会に。