Symbolism

シンボリズムというお話です

 momotaro英語で書かれた作品で使用される Symbolism についてのお話です。最初にお断りしておきます。私は、英語で書かれた読み物を読むことはありますが、趣味の域をでません。研究しているわけではございません。したがって英語の文学について語る資格が、全くありません。ネットだからと、匿名性を隠れ蓑にして、無謀にも夜間高校で教えてもらったノートを元に、話を組み立てようというのですから、まじめに英語を勉強していらっしゃる受験生や TOEFL  高得点を目指して努力されている方々は、この話題を無視しましょう。ど素人の戯言ですから、昔々あるところに、とはじまる童話と同じように難しいはずがありません。
 文芸作品には、日本語同様、英語の世界でも、明確な主題を備えた作品からストーリー展開を売りにする娯楽読み物まで種類は豊富です。 そんな中、私が夜間高校で教えていただいたのは、文学における構造や構成といったものでした。教材は William Golding の作品 Lord of the Flies でした。ペーパーバックで200ページほどです。この本は、高校の国語教材として北米では広く使われていたようです。
授業では、文学には、通常置かれている protagonist (主人公)、 antagonist (主人公に対置する者)、juxtaposition (二つの人やグループを比較のため並列に置く)などの説明ににつづき、symbolism について生徒が調べていきました。例えば、教材の中で少年グループはホラ貝を使用するが、ホラ貝は何を意味するかといったことです。この作品についての授業内容などは、別途、このサイトで紹介できるかもしれません。結構長くて量が多いんです。

Symbolism の意味は桃太郎にあり

#html {日本で生まれ育った人なら、おそらく誰でも知っている童話の 桃太郎 です。 こんなに身近に例があるとは思いもよりませんでした。それも、落語の桃太郎で、きちっと細かくその意味をおもしろおかしく話してくれます。落語の中では、特に symbolism として紹介していませんが、実にすばらしい例です。画面が小さいですがマウスを置いて YouTube をクリックして大きくすることもできます。興味があったらクリックしてみてください。名人といわれた人の芸は、一聴に値すると思います。} #clear

父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し

 落語の中ではこのように説明しています。おじいさんが山へ芝刈りに行くのは父の恩を示し、おばあさんが川へ洗濯に行くのは母の恩を示しているとのこと。この一言で、symbolism がすべて分かると思います。英語で書けば、といっても、恩に当たる英語はlove と compassion を合わせたように考えられますが、ここでは、英語にしやすい love にしました。 Mountain symbolizes the love of father, which is higher than the mountains. And river symbolizes the love of mother which is deeper than the sea.  (落語の中では、海に洗濯に行くわけにはいかないので、同じ水を symbolize して川にしているとのこと)このように、海と山を母の愛、父の愛として並べたりすると parallelism のごく単純な例となります。こうした並列に並べたり、比較するように話を進めると juxtaposition と言えるかもしれません。断定できないのは、juxtaposition の解釈は、英語ネイティブの人からの質問がネット上に溢れるほど理解しにくいところがあるようだからです。文学作品には、こうした方法を複雑に応用している例もあるようです。

いぬ、さる、きじをお供に・・いざ鬼ヶ島へ

douage_business_woman 犬、猿、キジの家来は、仁義、知恵、勇気を symbolize していて、鬼ヶ島は”渡る世間に鬼はなし”というように、日本では昔から、世間をさし、鬼退治とは世間にもまれることを symbolize するようです。要するに、世間に出て成功するには、人の道に外れない生き方を持ち、他人への思いやりを忘れず、知恵や勇気を備えておきましょう、というご意見なようです。しかし仁義という言葉は現代では意味が違うような気がします。現代では、仁義の部分(儒教的本来の意味でも)は知恵や勇気に比べ、比重が小さいかもしれませんね。いうまでもなく、鬼退治して宝を持ち帰るというのは、成功して故郷に錦を飾るということです。童話とはいえ、テーマを備えたすごい作品ですね。確かに。

 Symbolism を一番わかりやすく説明するとなると、桃太郎 が最適です。というお話でした。めでたし、めでたし。

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