Yesterday (昨日)といえばビートルズのヒット曲にありましたが、ここでは、同じ昨日でも少し違った意味のことです。ちょっと前までは、日本語で「これは昨日欲しかった」といえば、本当に前の日に必要だったことを意味していました。今日ではもう用がないといった意味でした。最近では英語の表現の影響か、もっと早く必要だったという意味で使うこともあるようです。英語ではこの表現は多く使われるようで、仕事で急ぎの報告書作成を依頼されたとき、「Can I send it to you tomorrow?」 というと、上司は 「No. We need this report yesterday.」とすげない返事で急がされたります。(えーっと、学校で英語を勉強中の学生さんや TOEFL 高得点を目標にしてがんばっている方々は、この表現には関わらないで、別なサイトへ行ってくださいね。 Please.)
昨日ではなくて
上の例の yesterday は、昨日という意味よりは、早くとかすぐに、今でも遅いくらいという意味合いですよね。こんな、あやふやな表現は嫌だというまじめな方は、仕事を頼むときに “Please finish this report quickly (as soon as possible).” に続けて ”We need this yesterday” ではなく、 ” We need this urgently” 、さらには、実際のビジネスでは依頼するときに、例えば by noon tomorrow と日時を明確に指示することでしょう。
”Could you finish this report yesterday?” などと依頼したら、言われた相手は確実にキョトンとして Whata hell are you talking about? と言われるかもしれませんね。もっと早く、急いでという意味での yesterday は、必ずしも quickly と同等に扱えないみたいです。
ただし、yesterday でも、We needed this report yesterday. We don’t need it anymore. と言われたら、報告書は本当に昨日は必要だったのに、今更いらないという意味です。
例はカントリーミュージックにあり
さてつまらない話は終わりにして、もっと早く・今でも遅いくらいだから急いでという意味で使った例を確認しましょう。ここでは会話体ではなく、歌から例を探ってみたいのですが。ありました。John Denver の Country Roads 。この歌をご存じの人も多いと思います。カントリーソングですが、今や standard な歌の一つではないでしょうか。ご本人は、自家用飛行機を操縦していて亡くなって久しいです。まずは、歌を聴いてみましょうか。歌っているのは、Olivia Newton-john です。歌詞が表示されるのでこれを選びました。ご本人の歌も YouTube にあります。この歌は、今や、ウェストバージニア州の州歌になっているようです。
West Virginia 州の天に届くような険しい山々の Blue Ridge Mountains それに Shanondoah River と始まります。
お母さんのことは、 mountain momma, miner’s lady, stranger to blue water と表現しています。山里に住んでるお母さん(田舎のお袋さん)、炭鉱夫の妻、青い水(海のことだと思います)からは遠く離れていて、見たことがない。
一番の歌詞に出てくる life is old there, older than the trees, younger than the mountains, growing like a breeze の意味も、何のことかは、いろんな解釈が見受けられます。そこでの生活は昔からのまま、あるいは、そこで生きている者達は森も山も動物も昔からのまま。みんな森よりは古く、山よりは新しい、そよ風のようにゆっくり変 化している。というのはどうですか?
あ森より古く山より新しいとはどういうことか、何となくイメージできますが、歌詞に書かれていることは、詩ですから、書いた本人が思うがままなので、それを読んだ人がイメージを膨らませるしかありません。ネイティブの人に聞いても、そうゆうのは作詞した人にでも聞いて、と逃げられそうです。この詩は、本家本元のアメリカ人でも解釈に悩むようでもあります。the first stanza drives me crazy (歌詞の最初4行は頭がおかしくなりそうだ)と書いている人もいるくらいです。
この中に出てくる Dark and dusty painted on the sky とは、空には暗さと埃っぽさが塗られているということですが、たぶん、(私が思い出す故郷は炭鉱の町だったから)空はいつもくすんでいた、といったことかな。 misty taste of moonshine とは、日本で言うところのどぶろくですね。良く言えば自家製のお酒、つまりは無許可・非合法のお酒です。misty taste とは、直訳すれば「ぼんやりした味」。分かったような分からないような表現ですが、日本語でもお酒の味をこんな風に評価する人もいますよね。夜陰に乗じてこっそり作るから moonshine なんでしょうか。
「朝、母さんからの電話があって」と始まる歌詞に I should have been home yesterday と出てきます。歌も、 yesterday を強調していますね。もっと早くお母さんに会いに帰らなきゃいけなかったんだ。should と現在完了形があるので、yesterday がわかりやすいですね。これって、結構応用がきくような気がします。家に遅く帰ってきた息子や娘に You should have been home much earlier (yesterday). なんていえますね。おつきあいの多い旦那様にもいえますね。しかし、奥様にこんなことを言うとなると、ちょっとね・・・・・・・・・。