What’s in a name 2

Al Capone

chicago1 誰もが知っているシカゴの有名人で、しかも悪人だったといえば この人。 Al Capone ニックネームは Scarface 、映画 The Untouchables でも有名ですね。いわずと知れたイタリア系マフィアの親分だった人。Al はきっと Alfred や Alberto かと思っていましたが、Alphonse だそうです。Capone はイタリア系の名字で、日本語での発音はアール・カポネですが、英語の発音はカタカナで書けばアル・カポーン(Al Capone)です。アール・カポネと発音しては、通じにくいのではないかとおもいます。どうでもよいかもしれませんが、あまりに有名な人なので・・・。敢えて言うまでもなく、 Al の l はr とはっきり区別して発音した方が通じやすいこと請け合いです。
その他 Franklin Roosevelt など日本でも有名な人の中に、発音が native speaker と違うことは時々あるようです。Franklin Roosevelt は、太平洋戦争終戦当時のアメリカの大統領だった人です。日本語ではフランクリン ルーズベルトですが、英語の発音はちょっと違うようです。オックスフォードのオンライン辞典で確かめられます。ローザヴェルトと聞こえませんか?

英語圏以外のヨーロッパ人の場合

 英語圏以外の名前となるとどう発音するか困りますね。Tagliavini、Napoleon、Monet それぞれ日本語ではタリアビーニ、ナポレオン、モネですが、日本語の発音そのままでも通じそうな名前も多そうですね。音楽の世界での Beethoven、Mozart、Chopin 、他の分野での有名人、例えば、 Copernicus、Nietzsche などはどうなんでしょう。それぞれ日本語では、ベートーベン、モーツアルト、ショパン、コペルニクス、ニーチェです。その中の Copernicus はラテン語の綴りで、生地ポーランドでは Kopernik とか Koppernigk らしい。どの名前の発音もこうした有名人は、たいてい辞書サイトに載っているようですから、発音も辞書サイト(例えばここ)によって確かめられることがあります。Mozart は、クラシック音楽に通じている人なら英語圏でもモーツァートと言いますが、そうでないとモザートかもしれません。Chopin は大昔、チョピンと発音しているとヨーロッパ人がアメリカ人をバカにするときに使われたこともあったとか。ポーランド生まれの作曲家ですが、父親がフランス人だからショパンだそうです。ヨーロッパ大陸では、昔から人の移動が大きかったようで日本とは事情が違いますね。発音する上で困難が予想されるのが、音楽の世界では Bach です。クラッシック音楽に通じている人は作曲家のバッハと言うでしょうし、そうでないとバッチとかバックでしょうかね。bach と言う英語の言葉もありますし、bachelor の短縮形だったりもするようです。音楽家のバッハを英語で発音する時の例はここです。画家の Renoir の日本語読みではルノアールですが、英語の発音は少々違ってレノワーと聞こえます。

 日本で有名な人でも、日本語と英語では発音がずいぶん違うことがあります。そうした中で、画家のゴッホは Vincent van Gogh ですが、発音はここのサイトで調べられます。van Gogh と常に van を付けています。この発音が英語では一般的ですが、芸術に深く関わる人は Gogh の音をオランダ語で発音すると思います。ゴッホの絵はこんなものが代表的でしょうか。もう一つはエッフェル塔ですが、これは設計した人 Gustave Eiffel からとりました。エッフェル塔の発音はここです。建設の案内はここでどうぞ。この動画はイギリス英語です。

 変わったところでは、 Enzo という名前もあります。これはイタリア系の Lorenzo を短縮したもので、日本語での 円蔵 と全く同じで音です。英語では Laurence ですね。イタリア語の発音は エンツォ で、この名前を冠したスーパーカー Enzo Ferrari もあります。

中東の人の名前は?

middle-east1 さらに中東や中近東あたりの人々ではどうでしょうか。例えば、Khachaturian は、ソ連時代のグルジア出身のアルメニア人作曲家で、とりわけ 『剣の舞』 Sabel Dance が有名なのはご存知の方も多いと思います。日本では、ハチャトリアンで統一されているようです。原語の表記はともかくとして、英語での表記は原語の音を元にした Khachaturian ですが、現地発音は、聞いていると英語とは関係ないようです。
かつて、中東イランのリーダーとして尊敬を集めていた人に Khomeini 師という人がいました。この人の場合も、日本語の読み方にコメイニ師やホメイニ師がありました。

 オンライン辞書では Oxford にはありませんが、 Webster には Khachaturian が載っていますので、確かめられます。 現在、グルジアという日本語は止めて欲しいとの要請が来ているとのこと。グルジアはソ連時代の表記で、現在は Georgia で、発音もアメリカにある Georgia 州と同じ、ジョージアとのことです。

middle-east3 なぜ当時は読み方が統一されていなかったかというと、英語にはそもそもこうした kh と続く単語がなく、従って発音もないからではないかと思われます。現地の人の発音はクとハを一度に発音するように聞こえてきます。聞いている印象では、私たちが喉に魚の骨なんかがつかえたときに、それを出そうとしてクとハを一度に出す感じで、喉の奥から「ハッー」なんて感じで出す音に似ています。こうしたそれぞれの言語に特有の音は各言語にあるようで、英語の th やドイツ語の pf やウムラウトのついた U とか o、フランス語にも私たち日本人には発音しにくいものがありますよね。中東地域ではこの、kh の音を持つ言葉は多いようです。このため、英語にも日本語にも表記が難しく、二通りの音があるのではないでしょうか。

英語では原音を尊重しているようです

 英語の場合、なるべく原語の音を尊重しているようです。そのままの音は出せなくても、それに近い音を出そうとしているようです。Toyota 自動車も Honda 自動車も、昔はタヨラ、ハンダみたいな発音でしたが、今ではトヨタ、ホンダと日本語を尊重した音を出しています。

日本人の名前は

 一般に日本人の名前は、自己紹介したりするときに、「何と読みますか?」と聞かれることが多いようです。外国人慣れしている北米のアメリカやカナダあたりでは、特にそうやって気を遣ってくれます。ですが、例えばレストランに電話で予約を入れるときなど、長山真一郎とすると、Could you spell it? と促されて、S-h-i-n-i-c-h-r-o  n-a-g-a-y-a-m-a と言います。するとさらに質問され、Is this one person? なんて聞かれることもあります。ローマ字表記にすると日本人の名前には長くなる人もいますからね。それと、日本人は一般に first name も日本語のまま通そうとするのが特徴的です。アメリカに来たから、今日から私は Mary にしますとか、自分は John ですとか言う人はかなりの少数派ですね。
ある日本のアメリカ法人のオフィスでは、秘書として働いている人が Hispanic 系で、どうしてもスペイン語訛りが入りやすいため、Y が J の音になったりします。このため、山田さんが赴任すると 、うやうやしくYamada-san などと言ってくれますが、発音がジャマダさんになったりします。山田さん本人は気を遣って苦笑いしていましたが、どうやら秘書の人は意味が分かって、わざと言っているらしいとのことでした。

 英語圏以外の名前は、どうにかこうにか辞書で確かめられるような場合を除くと、打つ手がありませんね。話をする相手の人と一つ一つ確認するしかないように思えます。

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